*** 功の釣行記 ***
ザ・フィッシング
7月3日、4日「ザ・フィッシング」の取材で伊是名島へ行ってきました。
今回はいつもの「するするスルルー」ではなく、普段あまりしないタマン釣りと船釣りを
することになりました。
一緒に釣行したのは、ダイワフィールドテスターの村越さん。挨拶を交わし、今回の
タマン釣りや沖縄での釣りの話をしていると、かなり詳しくてビックリ!村越さんは
沖縄に年間10回くらい来ているそうで、伊是名島についてもかなり詳しく知っていました。
ニコニコしながら話す村越さんだが、出ているオーラが凄い!只者ではない雰囲気でした。

 今回の釣行は1泊2日。伊是名島についてすぐに船釣り、夕方からはタマン釣りと
ハードスケジュール。しかも慣れない船釣りとタマン釣りで不安な気持ちいっぱい。
宿に荷物を置き、早速船釣り。
始めに船からの「するするスルルー」タックルは、竿:オレガ剛徹5号53MSプロト。
リール:ソルティガZ4500。ライン:バリバスフロロ10号プロトタイプ。
鈎はガマカツタマンスペシャル19号。サルカンも何も使わない超シンプル仕掛け。
村越さんのタックル。竿:オレガ剛徹5号53MM。リール:ソルティガZ4500。
ライン:PE 3号400Mにリーダーフロロ10号を同様にシンプル仕掛け。
予想では3回流して1回は釣れるはずだったのだが…全くアタリ無し。
潮が速すぎて仕掛けが入っていない様子だ。オモリを追加して仕掛けを入れるのだが
しっくりこない。
そんな中、マキエサが効いてきたのか仕掛けを流していた村越さんにヒットが!
船上での磯竿、扱いにくいはずだが、さすがの村越さん!魚をいなしながら巧みな
ロッドワークでファイトしている。側で見ていて何の不安も感じない安定した余裕のやり取りだ。
この時浮いてきたのは4kg弱の太ったスマガツオ。
これを見て俄然やる気が出てきた!カツオが群れで入っているかもしれない!
マキエのスルルーを撒きいれ仕掛けを投入、釣れそうな予感!何投か仕掛けを回収し流していると
約40mくらい流した頃、リズム良くパラパラと流れていたラインが狂ったように走りだした!
キターーー!!磯と同じ様に鬼フッキング!2度、3度と入れるとありえないくらい
強烈に絞めこむ。
だがフルロックで男を見せなければと腰を落とし、スプールに手をそえ竿を立て踏ん張るが、
魚は容赦なく走る!デカイ!!と思った瞬間!パキンッと音をたて魚はラインをぶっちぎっていった…。
高切れだ。竿の中で切れた為、ガイドが3番節から上のガイドが全部上を向いて曲がっている。
…ありえないくらいデカイ!10号ラインでならフルロックで8kgまでは取ったこともあるし、
そのクラスなら取れる自信もあった。悩んでいる時間は無いので、すぐ釣り再開。
するとすぐにヒット!でも全然楽勝で浮いたのはオーマチ2kgサイズ。
残り時間わずかになってもアタリが無いまま船釣りは終了してしまった。
ヤバイ…船は絶対釣れるはずだったのに……このままではロケがヤバイ。
船釣りの敗因は、村越さんの様にいなしながらファイトすればもしかしたら取れていたかも
しれないと、港までの帰りの船上で1人へこんでいました。

 帰港した港で地元のおじさん達がサビキでミジュンを釣っている。
見学しているとおじさんが「やってもいいよ」と竿を貸してくれた。おかげでサビキで
ミジュンを大漁GET!これで夜釣りのタマンのエサはバッチリ!
宿に帰りタマンの準備をし、すぐに伊是名漁港へ。ここは足場も良く、ガーラの実績も
たくさんあるし村越さんもいることだし、何とかなるだろうと思い釣り開始。
タックルは2セット。1本はダイワタマンモンスター8号50にパワーサーフ6000QD、
ライン12号、ハリス16号、エサシガヤーダコのタマン用仕掛け。
もう1本はタマンモンスター10号48にソルティガZ6500にPE8号、ハリス30号、
エサは昼間に釣ったミジュンの1匹掛け。万が一のガーラ仕掛け。村越さんも同様の仕掛け。
さぁ!名誉挽回だっ!50m〜60m程キャストししばらく待つが何の反応も無くエサは無傷で
戻ってくる。…まずい。
時間だけが過ぎていくなか、エサ取りのアタリもほぼ無い状態で睡魔も襲ってきた頃、
「キタよー!」との声が!村越さんの竿が勢いよくしなっている!!すぐにフッキングをいれ
ファイト開始!ラインが出ていく!ガーラだ!しかもデカイ!!
見ているこっちはハラハラドキドキだが、ファイトしている村越さんは凄く落ち着いていて
竿の調子を見ながら「強い竿だねー」とか実況中継しながらファイトしている。
魚を怒らせないようにソフトにファイトしている。さすが百戦錬磨の名人だな〜と見とれていると、
魚も疲れたのか段々と寄ってくる。
前まで寄せるとデカイ魚体を確認できる。無事ライディングをし写真を撮り、すぐリリースるが
魚も渾身の力で走ったせいか、泳ぐことも出来ずだいぶ弱っているようだ。
だが村越さんは海につかり、どうにかしてリリースしようと頑張っている。
30分程必死にリリースを試みるが魚は息絶えてしまった。一生懸命リリースしようと頑張る
村越さんを見て、本当に心から「村越正海」という人に感動しました。
本当に釣りが好きで魚が好きで海が好きな人なんだな、と思いました。
でもいつまでも、感動している場合ではない!このままじゃ僕の出番が無い…全然いい所ないし、
頑張らねばと眠気をこらえ釣座を石畳先端近くに取り再びフルキャスト!
「釣れたらナー」とか「このままではただの痛い人になるなー」とか考えながら竿先を
みていると竿が勢いよく曲がる!ついにキターーっ!
ピトンから竿を取り、ファイト開始!キツめのドラグからはラインがジジッと出ていいく!
多分ガーラ!村越さんのファイトを思い出しながらソフトにファイト。
少しだけドラグを緩め、魚が止まったら巻き取りして時間をかけながらの作戦。
魚は船路に向かっていく!ヤバイ!根ズレする!と慌てて出ていくラインを止める為に
スプールに手をあて、ハンドドラグで止めにかかるがフッと竿が真っ直ぐになり手元から
重みが無くなってしまった。せっかくのアタリをバラシしてしまった。
残り時間はわずか…結局その後はアタリも無く、朝になってしまった。
…終わってしまった。
自信たっぷりで行ったのに、全然良い所もなくかなりヘコンデしまった。
「ヤバイ。俺痛い子だなー。」今だにヘコンデいます。だが、この釣行のおかげで改めて
自分で分かったこともたくさんありました。いろいろなジャンルの釣りをすることにより
「するするスルルー」に生かせる部分もあり、ファイトのやり方、釣りに対する考え方、
これからの釣り人生にとってプラスになることを多く学び、いろいろな面で勉強になりました。
村越さんありがとうございました。



おきなわ釣王国 No.74に掲載